掲載日 2025/00/00

国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科
多文化社会における相互理解

勝又教授からの
Message

国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科 教授
勝又 恵理子

グローバル化が進む現代において、異文化コミュニケーション能力は社会で活躍するための重要なスキルです。本ゼミでは、多文化社会における異文化コミュニケーションをテーマに、理論と実践を融合させた学びを提供しています。ゼミ生は多様で活気ある学びの場で、異なる文化的背景を持つ人々がどのようにコミュニケーションを取り、理解し合い、障壁を乗り越えるのかを探究します。

Q.ゼミはどのような研究環境を作っていますか?

本ゼミでは、ワークショップ、ゲストスピーカー、フィールドワークなど体験型の学びを提供しています。これまでゲストスピーカーとして、異文化トレーナーやコミュニケーション分野における国内外の専門家にお話しいただきました。また、フィールドワークでは、北海道のアイヌ民族博物館や広島の平和記念資料館を訪問するなど、多様な文化や人々と直接交流する機会を設けています。

さらに、本ゼミは英語で行われ、卒業論文も英語で執筆します。異文化コミュニケーションの学会での研究発表の機会も提供し、将来の大学院進学や国際的なキャリアに直結する実践的な経験を積むことができます。このように、英語での研究や発表を通じて、国際社会で活躍できる人材を育成しています。

Q.学生の異文化理解力を育てるために、どのような工夫をしていますか?

本ゼミは「学生のための場」であり、一方的に教えるのではなく、学生が自ら学び、研究を進められるようサポートすることを心がけています。学生同士の自由な意見交換を重視し、2年間という長い時間を共に過ごす中で、安心できる雰囲気づくりと信頼関係の構築に努め、率直な意見や経験を共有しやすい環境を整えています。

アクティブラーニングを取り入れ、学生が受け身で知識を得るのではなく、自ら考え、主体的に学ぶ教育手法を採用しています。具体的には、グループディスカッションやディベート、シミュレーションゲームなどを通じて、問題解決力やコミュニケーション能力を養います。正解が一つではない課題に取り組み、他者と意見を交わしながら学びを深めることが特徴です。

毎学期、国内外から多様なゲストスピーカーを招いています。今学期は、ウクライナ人とドイツ人の教授をゲストに迎え、それぞれの文化やコミュニケーションについてお話しいただく予定です。過去には、コーチングの専門家やフランス人の異文化トレーナーによるワークショップも実施しました。ゲストスピーカーとの交流を通じて、教室では得られないリアルな体験や多様な視点を得ることができます。

また、学生同士の国際交流も積極的に行っています。対面交流では、オランダやインドネシアの学生が来日した際にゼミ生と直接交流し、シミュレーションゲームを実施しました。オンライン交流では、台湾やドイツの学生とCollaborative Online International Learning(COIL)を通じて国際協働学習を行っています。COILは、オンラインを通じて国内外の大学と授業内外で交流し、協働的に学ぶ教育手法です。このように、対面とオンラインの両方を活用し、グローバルな視野と実践力を身につける機会を提供しています。

Q.学生に期待することや、卒業後の進路について教えてください。

本ゼミを通じて、「自ら考え、主体的に学ぶ姿勢」と、「異文化に対する好奇心」や「多様な環境で働くためのスキル」を育むことを期待しています。本ゼミの卒業生は、航空会社やIT関連企業などグローバルな職場で活躍し、入社後数年で海外赴任する者もいます。特筆すべきは、卒業生が「自分の価値観」を大切にして進路を選ぶ点です。大手企業から内定を得ながらも、国際的なチームで働くことを理由にスタートアップを選んだ者もいます。また、国内外の大学院への進学率も高いです。共通するのは、ゼミで身に付けた異文化コミュニケーション能力を生かしている点です。人事部で研修を担当したり、国際プロジェクトをリードしたり、大学院で研究を続けたりと、どの進路でも本ゼミでの学びが大きな力となっています。

本ゼミでは、多様な国際交流を通じて、異文化コミュニケーション能力を実践的に身に付ける場を提供しています。教室を超えたリアルな体験と学生主体の学びを通じて、国際社会でも日本社会でも信頼される人材を目指します。異文化理解を深めたい方、多様な価値観に触れたい方は、ぜひ一緒に学びましょう。

学生からの
Message

国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科 4年
中国・吉林省 Yanbian No.2 High School出身(2025年度ゼミ代表)
HUANG JINGHE(コウ ケイガ)

私の多文化世界での歩みは、勝又ゼミに入る前から始まっていました。中国で少数民族として生まれ育ち、家庭では韓国語、学校では中国語を学びました。高校卒業後は、カナダ・トロントで約3年半学び、その後、日本に来ました。日本文化をより深く理解したいという思いがありましたが、青山学院大学の国際政治経済学部、そして勝又ゼミは、そんな私にとって、まさに理想的な環境でした。

私の研究テーマは、日本人学生が英語を学ぶ上での文化的・心理的な要因についてです。特に、同調圧力や「みんなと同じでいたい」という気持ちが、言語学習にどう影響するかに注目しています。例えば、英語の正しい発音で話す学生が「日本人っぽくない」とからかわれることがあります。もともとは、中国人学生と日本人学生の英語学習に対する意識の違いを比較する予定でしたが、ゼミで学ぶうちに焦点が少しずつ変わっていきました。中国、カナダ、日本と異なる環境で言語を学んだ経験が、研究にも大きく生きています。

ゼミの魅力は、多様な背景を持つ学生が集まり、自由に意見を出し合える雰囲気です。海外経験のあるメンバーも多く、普段のやりとりからも多様な価値観や考え方に触れることができます。議論のたびに新しい気付きがあり、毎回のゼミ活動がとても充実しています。また、上下関係の厳しさを感じないのも驚きでした。ゼミの先輩には、研究の進め方から就職活動のアドバイスまで、たくさん助けてもらいました。

今では英語で自分の意見を伝えることにも慣れ、学術的な文献にも積極的に向き合えるようになりました。現在はゼミの代表を務めており、ゼミの中では積極的に質問をして、皆の考えを深める手助けをするように心掛けています。ただし、ゼミの仲間同士が仲良く、よく話し合うので、特に苦労はありません。このゼミで培った力は、将来異文化をつなぐ仕事に就く上で必ず役立つと感じています。

卒業後は、日本と世界をつなぐような仕事に就きたいと思っています。現在は、グローバル企業での広報やマーケティング職に関心があり、自分の多文化的な背景や語学力を生かして、異文化間の橋渡しができたらと思っています。特に、日本の企業が海外の人々とより良い関係を築くお手伝いができればと願っています。

振り返ると、勝又ゼミでの2年間は、学問的にも人間的にも大きな成長の時間でした。ゼミの仲間たちは本当に温かく、雰囲気は落ち着いていながらも知的好奇心に満ちています。異文化に興味がある方、英語での研究に挑戦してみたい方には、このゼミを心からおすすめします。世界がますますつながっていく今、きっと貴重な学びの場になるはずです。

国際政治経済学部
国際コミュニケーション学科

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