コツコツと努力を続け、
「アクチュアリー」への
夢を実現

掲載日 2020/10/15
No.40
理工学部
経営システム工学科4年
猿渡 祥子
東京・私立共立女子高等学校出身

OVERTURE

本学の進路・就職支援は、1・2年次の早期から3・4年次の就職活動本格時期まで、一貫したサポートを行っています。働くことの意義を理解し、自分に合ったキャリア形成に向け、具体的な準備や行動ができるようサポートしていきます。
4年間でステップアップし、損害保険会社(アクチュアリー職)への内定を決めた学生をご紹介します。

高校時代に
「アクチュアリー」と出会い、将来の夢が決定

私は「アクチュアリー」という専門職として損害保険会社から内定をいただきました。アクチュアリーとは確率・統計の知識を用いてビジネスのリスクなどの予測や分析を行う専門職で「保険数理人」と訳されることもあります。保険会社では保険料の算出や商品開発、長期計画の策定などを行います。

私は小さい頃から算数が大好きで、高校の頃には不確実性の高い「未来」の姿を数字で捉える「金融工学」という分野に興味を持っていました。「職業を調べる」という高校の授業課題を通じて、アクチュアリー職の仕事を知り、金融工学の知識を実用面に生かせるという点にも大きな魅力を感じたことで「私も将来はアクチュアリーとして働きたい」と夢を持つようになりました。

そのためには日本アクチュアリー会という専門組織の試験に合格して正会員になることが必要です。本学に入学したのはアクチュアリー受験に向けて学べる経営システム工学科があったからですが、青学の自由な校風やブランド力も魅力でした。

アクチュアリー試験合格のカギは地道な努力

現在は理工学部経営システム工学科の小林 和博先生の数理最適化研究室の一期生として「ポートフォリオ最適化」という投資関連の研究を行っており、将来的には損害保険のリスク管理に生かしたいと思っています。研究室は明るく和やかな雰囲気で、学生がやりたいことを提案すると先生が実現に向けサポートをしてくださるという自由な環境の中で日々学んでいます。

アクチュアリー試験に向けた準備を2年生の冬から本格的に始め、特にアクチュアリー数学については、理工学部物理・数理学科の松本 裕行先生にもご指導いただきました。アクチュアリー会員になるまでには、研究会員・準会員・正会員という3つの会員種別がありますが、一般的に試験合格には準会員までに5年、正会員までには実務経験を含めて8年ほど掛かるとされています。

松本先生は毎週のように研究室で勉強会を行ってくださり、そのおかげで3年生のうちに数学の科目に合格して、最初のステップである研究会員になれました。企業のアクチュアリー採用は狭き門なので、業務へのやる気や今後の可能性を示すという点で科目合格は大きなプラスになりました。実際、科目合格なくして今回の内定は得られなかったと思います。

私の就職活動を振り返ってみると、やはり目標に向かって諦めずに努力することが大切だったように思います。時には難しい問題が解けずにくじけそうになったこともありましたが、とにかくコツコツ続けているうちに学びが習慣化していきました。好きなことを学べるので勉強自体は楽しく、毎日21時まで大学の図書館で集中して自習したのも良い思い出です。

面接対策には進路・就職課を活用。充実した学生生活

相模原キャンパスB棟スチューデントセンターにある進路・就職課のサポートで行った、面接練習が効果的でした。本番さながらの質疑応答を経て、私の志望動機のあやふやな点が明確になり、本番の面接もあまり緊張せずに臨むことができました。進路・就職課では、志望業界に関する資料等で、知識が得られるので活用されてみてはいかがでしょうか。
就職活動の結果、アクチュアリー職の応募枠で数社から内々定をいただきましたが、最終的にはインターンシップの時に感じたアットホームな社風が決め手となって現在の内定先に進むことにしました。

アクチュアリー試験の準備期間も含めて、就職活動では精神面のコンディションを保つことも大切だと思います。私の例で言うと、アクチュアリー試験の受験生は大学院生の比率が高く、他の方のレベルの高さに私が気持ちで負けないようにすることが大変でした。その際は家族と会話をしたり、インターンシップで知り合ったアクチュアリー就活の仲間と情報交換をしたりすることで乗り越えました。

学び以外の学生生活もとても充実して過ごせました。特に楽しかったのは1年次と2年次で打ち込んだ相模原祭実行委員会の活動です。私は企画責任者として参加していましたが、かなり熱中していました。薬品を用いる実験ショーなどの企画を実施するのは大変でしたが、仲間と相談して先生の協力を得るなどして、粘り強く調整を成功させたことも貴重な経験になりました。
改めて振り返ると、相模原祭実行委員とアクチュアリー試験という2つの大きな目標があったことで学生生活がとても充実したものになりました。夢や目標を持ち、諦めずに努力を続けることでより人生が充実するように思います。

相模原祭LABO PROJECTの実験ショー

理想のアクチュアリー像に向かって

来年からアクチュアリーの仕事に関われることがとても楽しみで、指導してくださった先生方、両親や友人のサポートには心から感謝しています。
入社後は会社からもアクチュアリー資格取得へのサポートが受けられるということなので、今後もコツコツと勉強を続けて一年でも早く一人前のアクチュアリー正会員になることが目標です。視野を広く持ってさまざまな知識を吸収し、適確な判断ができる最先端のアクチュアリー像を目指していきたいと思います。

猿渡さんの就職活動スケジュール

  1. 3年 6月

    就職セミナー参加、OB・OG訪問、
    夏インターンシップエントリー

  2. 3年 7月

    夏インターンシップ選考

  3. 3年 8〜9月

    夏インターンシップ参加

  4. 3年 12〜2月

    企業説明会、冬インターンシップ参加

  5. 3年 3月

    企業説明会、面接

  6. 4年 4〜5月

    面接

在籍している学部

理工学部

理工学部には、理学系、工学系をあわせて6つの学科があります。
“相模原キャンパス”を拠点とし、学部附置機関であるCAT・先端技術研究開発センターや機器分析センターをはじめ、先進の施設や設備は、国内外トップレベルを誇ります。
自然科学の基盤となるサイエンスの最先端研究はもとより、広く社会に貢献することを目指す多彩なテクノロジー研究開発を推進しています。なお、2021年4月、理工学部 物理・数理学科を「物理科学科」「数理サイエンス学科」の2学科に改編予定です。

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